陸上男子100メートルで日本人初の9秒台を狙う桐生祥秀(よしひで、17=京都・洛南高3年)が、30日に英国バーミンガムでのダイヤモンドリーグ(DL)第7戦に出場する。12日、日本陸連が発表した。ウサイン・ボルトらが参戦する世界最高峰の大会で17歳が異例の世界デビューを果たす。

 桐生は「世界を感じてきたい。失うものは何もなく、失敗も含めて全てがかけがえのない経験」とコメントした。今日13日から16日までは高校総体近畿大会(奈良・鴻ノ池)に出場。その約2週間後に海を渡って、世界の強豪たちと激突。前身のゴールデンリーグも含めてDLに日本の高校生が招待されるのは異例だ。

 日本歴代2位の10秒01を出した桐生は8日の日本選手権2位で世界選手権(8月10日開幕、モスクワ)の代表に選ばれた。ボルトについて「生で見てみたい。どこが違うか、感じてみたい」と話している。大会の1週間前にジャマイカ選手権があるボルトにとって過密日程だが、世界選手権よりもひと足先に17歳の夢がかなう可能性もある。

 桐生は「大会は未知の世界ですが、楽しみで今からワクワクしています。いつの日か、憧れの選手たちと世界を転戦できるような選手になりたいと思っています」。「ジェット桐生」がいよいよ世界に飛び出す。

 ◆ダイヤモンドリーグ

 09年まで国際陸連が主催していたゴールデンリーグとスーパーリーグが統合され10年に新設された。例年5~9月に欧州、北米、アジアの11カ国14都市で開催され男女各16種目を実施。大会ごとに各種目8位の選手までに賞金が、年間総合優勝者には賞金とダイヤモンドトロフィーを贈呈。また各種目3位までの選手にポイントが加算され、年間成績を競う「ダイヤモンドレース」を実施。その優勝者には4万ドルと8万ドル相当の4カラットダイヤモンド入りトロフィーが贈呈される。日本では、11年からWOWOWが放送している。