<全国高校バスケット選抜優勝大会:札幌山の手80-73山形商>◇女子決勝◇28日◇東京体育館

 日本一だ!

 連覇だ!

 2冠だ!

 札幌山の手(北海道)が山形商に逆転勝ちし、2年連続2度目の優勝を飾った。

 北海道勢初の連覇を成し遂げた札幌山の手の選手。笑顔を見せる下級生の横で、涙を流しながら喜びを分かち合う3年生の姿があった。佐藤、田屋、石川、菅井、永田、竹市。長岡を含めた7人は、互いに「ありがとう」と言葉を掛け合い、健闘をたたえ合った。

 昨年の高校3冠チームを引き継いで迎えた今季、長岡が日本代表に選ばれた。大黒柱が不在の春季大会は、札幌地区予選で黒星を喫した。3人が実業団入りした3冠チームは、能力の高い選手がそろっていたが、今年は違った。周りからは常に比較され、焦りが芽生えた。思うようにチームづくりが進まず、意見がぶつかり合うこともあった。

 上島コーチは「こんなに苦労した年は初めて」と言う。日本代表を経験した長岡はただ1人、上達していった。センターの石川は「成長して帰ってくる。動きでじゃまをしちゃう時もあった。周囲からいろいろ言われたけど、どうやったら(長岡)萌映子が得点できるかだけを考えた」。ガードの永田も「萌映子にパスを入れるために、プレスをくぐる練習をした」と苦しんできた思いを打ち明けた。それぞれの努力が、最後に実を結んだ。

 7人の3年生は卒業後、大学進学や就職など別々の道を歩む。佐藤は「チームがひとつになれたので、こういう形になれたんだと思う」と胸を張った。心のピースがそろった先に、日本一の勲章があった。