<高校総体:ボクシング>◇14日◇秋田・秋田市立体育館◇ライト級準決勝

 ボクシングは各階級で準決勝が行われ、ライト級の倉敷(岡山)・藤田健児(3年)が史上初の3連覇に王手をかけた。

 史上初の3連覇に向けて、ライト級の藤田は準決勝を判定ながら10-0の大差で突破した。しかし、試合後は「自分の動きではなかった。高校生相手に判定勝ちではいけない」と反省ばかりが口をついた。

 昨秋の全日本選手権を高校2年生で制覇。史上3人目となる同学年での優勝を果たし、アマチュア界のトップに立った。豊富な運動量と強烈なストレートが武器で、昨年まで選抜大会とインターハイでそれぞれ2連覇を達成。勝って当たり前の重圧と闘いながら偉業達成に挑む。

 準決勝まで5試合でRSC(レフェリー・ストップ・コンテスト)勝ちは2回。藤田は「自分へのプレッシャーで普段のボクシングができていない。この壁を1つ越えて優勝したい」と決意を語った。

 格闘技一家の環境で育った。父は空手道場を経営していたため、藤田も空手をはじめ総合格闘技も幼少時から親しんだ。指導する長男でプロボクシングの元東洋太平洋暫定王者・和典さん(33)は「ロンドン五輪出場のチャンスもまだある。優勝してもうひと回り成長してほしい」と期待を込めていた。【豊本亘】