<全国高校総体:陸上>◇3日◇大分銀行ドーム◇男子110メートル障害決勝

 今大会2つ目の高校新が生まれた。2年生の古谷拓夢(神奈川・相洋)が、従来の高校記録を0秒07更新する13秒92をマーク。1日の400メートル障害に続く優勝で、史上3人目の2種目制覇も成し遂げた。

 古谷はゴールした瞬間、左手でガッツポーズを決めた。競技場の大型スクリーンで確認すると、今度は両腕を突き上げ、喜びを表現。充実感にあふれた表情で観衆からの声に手を振った。「記録は出ると思ったけど13秒台が出るなんて…。自分の持ち味が出ていたので、ハードル5台目ぐらいで優勝は確信しました」。

 躍動感あふれる走りだった。183センチ、75キロのがっちりした体格で、後半から加速した。レース中盤でトップに立つと後続を一気に突き放した。2位との差は0秒35。大会新とともに高校新となる13秒92で優勝を飾った。2日前の400メートル障害に続く勝利で、大会史上3人目となる2種目制覇ともなった。

 中学3年時の全中で4位に入るなど期待される逸材。昨秋から400メートル障害を始めて成長に拍車がかかった。「1600メートルリレーに生かせればと思っていたけど持久力もついた」。後半の走りに磨きをかけて臨んだ高校総体だった。

 まだまだ伸び盛りの2年生。「来年もこの大会で記録を更新したい。これで満足せず、110メートルも400メートルも挑戦者の気持ちで臨みたい」。喜んだのはレースが終わった瞬間だけ。2年生王者はさらなる飛躍を誓っていた。