<全国高校総体:陸上女子400メートル>◇30日◇山梨中銀スタジアム

 浜松市立(静岡)・松本奈菜子(3年)は53秒94で悔しい準優勝となった。決勝は残り100メートルでトップと並び、最後の直線で抜け出した。しかし、残り60メートル付近で優勝した松江商・青山聖佳(3年)にかわされ、2位でフィニッシュ。喜びを爆発させたライバルの横で悔しさをにじませた。それでも、レース後は「悔しかったけれど、負けた相手が(青山)聖佳だったので仕方ない」と気丈に話した。

 6月の日本選手権では高校生女王に輝き、追われる立場となった。本人は「あまり意識しないようにしていた」と話したが、この日のレース直前にも会場内のアナウンスで日本一になったことを紹介され、緊迫した雰囲気でのレースとなった。今季は陸上部の部長を任されるなど、見えない重圧とも闘ってきた。松本は「他の選手のために、いい雰囲気を作ることも私の役目だと思う」と前を向いた。【神谷亮磨】