<全国高校総体:サッカー>◇女子決勝◇6日◇東京・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場

 日ノ本学園(兵庫)は7-0で京都精華女に圧勝し、大会3連覇を果たした。前半は緊迫したが33分にMF池尻茉由(まゆ=3年)のシュートで先制。後半に入ると猛烈な波状攻撃で6点を挙げた。次なる目標は来年1月の全日本高校選手権で2年連続の2冠。「心の飾り」を校訓に、開校121年の歴史を持つキリスト教校が、高校サッカー女王に君臨し続けそうだ。

 前半33分、FW目原莉奈(3年)が相手DFにプレッシャーをかけ、ボールをインターセプト。走り込んだ池尻茉が左足でゴール右隅に押し込んだ。こう着していた流れを呼び込む貴重な先制ゴールだった。

 ハーフタイムでアルビレックス新潟レディースFWだった田辺友恵監督(33)が「(相手の)裏が空く。回さず裏に出して」と指示した。後半2分にDF稲田佳奈(3年)が2点目を蹴り込むとその後、ゴールラッシュとなった。

 高校総体でサッカー女子が正式種目となった12年から3連覇。神村学園(鹿児島)、常盤木学園(宮城)などが高校女子サッカーをけん引してきたが、新時代の到来を示す3連覇になった。

 日ノ本学園はキリスト教に基づく教育を実践している。校訓は「心の飾りを」。新約聖書の「あなたがたは髪を編み、金の飾りをつけ、服装を着飾るような外面の飾りではなく、心の中の隠れた人柄を飾りなさい」が由来という。2得点の池尻は熊本出身で、同校のサッカーに憧れて入学した。おごることなく「みんなが走ってくれたから得点できた」と話した。左膝の靱帯(じんたい)損傷で1、2年生の時は出場できなかった竹村美咲(3年)は「周りの人に助けられて主将を務められた。支えてくれた方に感謝したい」。この謙虚な人柄が、強さの一要因だろう。

 姫路市内の学校校庭にサッカーボールの形をした約1・2メートルの石碑が2月に完成した。高校総体2回、高校選手権2回の優勝の栄誉が刻まれている。イレブンが帰郷すると5つ目の栄誉が刻まれる。来年1月の高校選手権優勝で2年連続2冠が次の目標。さらに来夏の地元兵庫開催の高校総体で4連覇を目指し、イレブンは「絶対に勝ちます」と誓った。【笹森文彦】