ホームアリーナは絶対に譲れない-。日本バスケットボール協会の改革を主導するタスクフォースは25日、都内で第3回会合を開き、来年発足する新リーグの参加基準の詳細を決め、発表した。1部リーグは5000人のホームアリーナ確保が条件になったが、TKbjリーグの青森などが反対。川淵三郎チェアマン(78)は「ホームアリーナは自分の家」と複数の本拠地を認めない考えをあらためて強調した。

 バスケット界の常識は壊す。川淵チェアマンは就任早々から5000人のホームアリーナ確保を新リーグ参入の条件に掲げた。この日の正式発表でもあらためて、1部は5000人、2部は3000人のホームアリーナ確保と、ホームで8割の試合をすることを絶対条件に挙げた。

 NBL、TKbjリーグともに、ホームアリーナは固定せず、複数の会場で試合をしてきた。この日も北海道、青森からは1カ所のホームアリーナは難しいとの声が出た。川淵チェアマンは「ホームは自分の家。家がなければ、固定した観客動員もうまれない」と顔を紅潮させて持論を唱えた。

 北海道は広大な地域、青森は大雪などの厳しい環境を訴えた。だが、川淵チェアマンは妥協しない。「過去の常識から脱皮しないと発展はない。トライして壁を乗り越えてほしい」と未来志向を強調した。

 新リーグは1部12~16チーム、2部は16~24チームを予定。リーグ運営の社団法人が設立される4月から審査が開始される。Jリーグとともに地域密着を理念に掲げる新リーグ。ホームアリーナは地域密着の象徴でもあるだけに、川淵チェアマンは「この考えが理解できなければ、新リーグの発展はない」と続けた。【田口潤】