2020年東京五輪・パラリンピックの公式エンブレムが白紙撤回になった問題で、大会組織委員会が選考や商標登録、ポスター作成などに費やした経費が総額で約5700万円だったことが4日、明らかになった。

 7月24日のエンブレム発表イベントで掛かった約6900万円の負担は共催した東京都と協議中で、経費はさらに膨らむ可能性があるという。

 組織委の主な財源はスポンサー企業の協賛金で、武藤敏郎事務総長は1日の記者会見で「税金で賄われているものは一切ない」と強調したが、新たなエンブレムの選定で再び多額の出費を迫られる。

 経費の内訳は佐野研二郎氏がデザインした作品の国内外における商標調査、登録の費用が約4700万円と最も大きい。応募、選考関係では審査会場のレンタル料約160万円など約900万円、ポスターや名刺、ホームページ作成などに約100万円が掛かった。

 経済3団体が大会を支援するため設置した協議会の会長を務めるトヨタ自動車の豊田章男社長は、企業の損害賠償請求については「各社の判断だと思う」と述べるにとどめた。