富士見が駿河総合を下し、3年連続6回目の優勝を飾った。セッター小林冬季(3年)の絶妙なトス回しから、堀瑞貴主将(3年)が腰痛を抱えながら18得点の活躍でチームをけん引した。優勝校は来年1月5日から東京体育館で開幕する全国大会に出場する。

 最上級生となって初めてつかんだ県制覇は格別だった。感激が頂点に達し、堀主将はコートで喜ぶことを忘れた。徐々にこみ上げる歓喜が表情を笑顔に変えた。県総体は決勝で島田商に敗れ、届かなかった全国舞台。この日は鮮やかな逆転勝ちで、感慨に浸りながら堀は言った。「ここ(県決勝)で終わるなんて考えられなかった。もっと(仲間と)一緒にやりたいと思っていました」。

 第1セットは、相手エース中野祐希(3年)の強烈なスパイクを止められず、先取された。だが、堀は「2セットまでは落とせる」と冷静だった。次第に県総体後から鍛え抜いたブロックで反撃し、堀自身は小林のトスなどから、チームトップタイの18得点。1年から度重なる腰痛に悩まされながらも、大事な試合で底力をみせ、甲斐健悟監督(32)に「気持ちがありましたね」と言わしめた。

 堀ら3年は全員が引退せず、「春高」を目指した。小林は「1年の時から先輩に全国へ連れて行ってもらったのに、今の1年を行かせてあげていなかった。恩返ししたい」と最上級生の思いを代弁した。3年の意地を感じた久保田成(2年)は「先輩たちが残ってくれたから(全国に)行けたと思う」と感謝した。

 今年1月の昨年度大会は2回戦から登場し、柏井(千葉)に敗れるなど2年連続で初戦敗退。堀は「まだ勝ったことがないので勝ちたい」と大舞台での目標を掲げた。【藤中栄二】