第95回全国高校ラグビー(27日開幕、大阪・花園)の組み合わせ抽選会が5日、大阪市内で行われ、初出場の南北海道代表、函館ラサールは28日に1回戦で長崎北陽台(長崎)と対戦することが決まった。大会直前に元日本代表で現在駿河台大ラグビー部監督の松尾勝博氏(51)を函館に招聘(しょうへい)。世界の大舞台でプレーした伝説のSOから金言を授かり、本番に挑む。

 函館ラサールが初めて聖地、花園で戦う相手が決まった。相手は2大会連続15度目の出場で94年度準優勝に輝いた実力校。NO8沖野玄主将(3年)は「チーム状況は悪くない。自分たちのやってきたことを出せれば」と気持ちを奮い立たせる。

 初陣に向けて、JAPANの魂を吸収する。日本代表としてW杯3大会出場経験のある松尾氏から12日の午前と午後、13日の午後、指導を受ける。荒木竜平監督(51)の母校、同大の先輩というつながりで実現。函館市内に招くのは2度目だが、今回は全国大会を控えた“特別授業”。荒木監督は「ビッグゲームを前にした気持ちのつくり方を教えてもらいたい」。2日間、チームは湯の川温泉の旅館に泊まり、ミニ合宿を敢行。ラグビー漬けの時間を過ごす。

 日本は今年のW杯で24年ぶりの勝利を挙げた。松尾氏はその前回勝利、91年イングランド大会ジンバブエ戦で1トライを決めるなど、170センチ、72キロの体格で日本の初勝利に貢献したSOだ。沖野主将は「貴重な経験をされている。当時の話を参考にしたい」と、かつての桜の戦士からの言葉を、胸に刻むつもりだ。

 道内有数の進学校でもあり、現在、年に6度ある定期テスト前のため部活動は休止中。五郎丸歩(29=ヤマハ発動機)の母校、早大進学予定で同じFBの加藤皓己(3年)は「1日1日を大切に過ごし、闘志を燃やしていきたい」と本番を見据える。創部49年目で初めて挑む大舞台への準備に、抜かりはない。【保坂果那】

 ◆北海道勢対長崎勢 函館北(現函館)、函館工、旭川龍谷、札幌山の手が各1度、北見北斗2度の計6度対戦し、通算1勝5敗。79年度大会1回戦で旭川龍谷が諫早農に24-16で、唯一の勝利を挙げた。長崎北陽台とは北見北斗が96年度2回戦で対戦し、7-60で敗れた。