雄物川(秋田)の超高校級エース、鈴木祐貴(3年)が高校日本一のラストチャンスに挑む。春高バレーと呼ばれる全日本バレーボール高校選手権が今日5日、東京体育館で開幕する。4日、開会式のリハーサルに参加した鈴木は、昨夏から悩まされた右肩痛について「コンディションはいい。やっぱり最後なので勝ちたい」と完調を宣言した。

 身長203センチ。昨年4月に全日本代表入りもした20年東京五輪の星は「たくさん迷惑をかけたので」と、主将としてチームのためにフル回転する。フォームの悪さから右肩を痛め、五十肩と診断されたという。全体練習に参加できない日が続き「はがゆい思いでした」と明かした。はり治療や温泉療法で、昨年10月31日の県代表決定戦終了後から本格的に合流。元全日本代表主将の宇佐美大輔監督(36)も「肩は大丈夫」と言い、1日100~200本のスパイクを打てるまで復調した。

 2年前は4強、昨年はまさかの初戦(2回戦)敗退と、喜びも悲しみも味わった。今日5日の1回戦は難敵・市尼崎(兵庫)と対戦し、勝っても明日6日の2回戦は全国総体準優勝の駿台学園(東京)が待ち受ける。「日本一になるためには、全部倒さなきゃいけないので」と前だけを見つめる。16年初笑いから頂点へ。鈴木の高校最後の戦いが幕を開ける。【久野朗】