五輪の競泳平泳ぎで通算4個の金メダルを獲得した北島康介(33=日本コカ・コーラ)が10日、東京都内で会見し、現役引退を発表した。主な一問一答は以下の通り。

 -こういう終わり方はどう感じるか

 北島 リオに行けないのは非常に残念ですし、実現できなかったのは僕自身に責任がある。信じてくれた方、期待してくれた方を裏切った形になったのは申し訳ない。ただ、今大会のレースを通じて、今の僕が実際に世界で戦えるかといったら、まだ全然戦えるレベルではない。現実を思い知らされた。そういう意味でも自分は引いて、この後世界で戦う選手を応援したい気持ちです。

 -真剣勝負は最後というのは

 北島 寂しいです正直。五輪選考会に限らず飛び込む緊張感とか。すごい濃い時間がなくなってしまうのは心に空いた感じになってしまうのかなあと。長く真剣勝負をさせてもらえたことは幸せな選手生活。本当に悔いはない。

 -若い選手に言いたいことは

 北島 今の後輩たち、今回出てきた若い選手を見ると本当にうれしく思いますし、何かやってくれるんじゃないか期待が高まるようなレースを今回たくさん見させてもらって、これだけ高いレベルの記録を出して五輪にいくわけですから、戦う集団として誇りを持って悔いのないレースをしてほしい。

 -2020年東京五輪については

 北島 もうちょっと早く来てほしかったなあと。そしたらもうちょっと成績が変わってたんじゃないかな(笑い)。ただ生まれ育った東京に五輪が来る。自分が出られないのは分かっているが、すごく楽しみな大会になると思うし、今回選ばれた選手たちがたくさん出ると思うので頑張ってほしい。

 -数々の名言の中で一番気に入っているのは

 北島 北島の言うことはごく一部しか切り取られないから、マスコミに対しての不信感は若かりしころはすごくあったんですけど(笑い)、そういうところに魅力を感じてくれたみなさんにはありがたく思っています。「チョー気持ちいい」という言葉は泣きたかったのを我慢して言った言葉。流行語大賞は不思議だった。流行でもなんでもないんじゃないかと思ったが、今は自分のネタとして使わしてもらってます(笑い)。

 -五輪のベストレースは

 北島 北京の100メートルじゃないですかね。予選からの流れもあって、ダーレオーエンがすごい強かった。100%勝てるか分からない中で、ああいうレースができた。金メダルも記録も含め、会心のレースができたと思います。