リオデジャネイロ五輪女子78キロ超級代表として有力視された田知本愛選手(27=ALSOK)は決勝で敗れて落選した。70キロ級代表に決まっていた妹の田知本遥選手(25=ALSOK)との同時出場の夢は実現しなかった。

 田知本愛選手はライバルの山部佳苗選手(25=ミキハウス)との決勝で左膝を痛めて一本負け。担架で運ばれた救護室で「1パーセントでも望みがあるなら、その報告を待つだけです」と願ったが、かなわなかった。4年前のロンドン五輪も妹だけが出場。この4年間は互いに励まし合い、あと一歩のところまで来ていたが、最後に悲運が待っていた。

 妹は決戦に臨む姉を懸命にサポート。試合後は姉の乗った車いすを押して会場を離れようとした直前に代表漏れの知らせを聞き、2人とも目に涙を浮かべた。愛選手は「すいません」と言うのが精いっぱいだった。