昨季3位のヤマハ発動機が24-21で4連覇を狙うパナソニックを破った。清宮克幸監督(49)が5季前の就任当初から貫く、FW戦で押し勝つ「ヤマハスタイル」が破壊力を増した。王者をスクラムで圧倒し、最後まで主導権を渡さなかった。

 ヤマハ発動機の先制パンチは痛烈だった。試合開始直後、1発目のスクラム。白いジャージーが真っ青の王者をぐいと押し込んだ。たまらず崩れたパナソニックは反則。ひと押しで強さを印象づけた。象徴的なシーンが後半8分。ゴール前10メートルで組んだスクラムで完全に相手を崩し、認定トライ。清宮監督は「ヤマハプライド。しっかり見せてくれた。勝因はそこだ」と胸を張った。

 2組に分かれて実施された昨季は対戦がないまま、3連覇を許した。開幕前の23日、清宮監督は「パナソニックに勝って優勝できない。負けて優勝できる。どちらかをとるなら前者だ」と闘志を燃やしていた。スクラムこそヤマハの誇り。昨年は「スクラム合宿」と銘打ちフランスに行った。会心の勝利の後、会見で開幕前の言葉について聞かれた同監督は「もう1つ言っていないことがある。『勝って日本一になる』」と笑みを浮かべた。