2020年五輪・パラリンピック開催都市の東京都が、国体で「アスリートファースト」(選手第一)の入場行進を実践した。

 第71回国民体育大会「いわて国体」の開会式が1日、岩手県北上市の北上総合運動公園陸上競技場で行われた。入場行進は旗手、団長、役員、選手の順番が慣例で、この日も大会本部から各都道府県に通達されたが、東京都は大会本部に申し入れて、初めて役員と選手を入れ替えて、選手を選手団の前方で行進させた。

 8月のリオデジャネイロ五輪の開会式では、日本選手団の前方を年齢層の高い本部役員たちが行進した。中国など役員が前方を行進する国もあったが、国内では「主役の選手を前で歩かせるべきでは」と批判の声が上がっていた。その後、日本選手団の役員でも意見交換するなど、20年大会へ向けた検討課題になっていた。

 東京都の選手団は正面スタンドだけではなく、周回中ずっと観客に手を振り続けるなど、20年大会の開催都市を意識した行進だった。

 アーチェリーの五輪メダリストで団長を務めた東京都体育協会の山本博会長(53)は「20年大会開催都市としてアスリートファーストへの取り組みを加速させたかった。山本副知事ら役員も快く同意してくれた。選手や監督、コーチも喜んでくれました」と満足そうだった。