6連覇を目指す帝京大が、慶大に42-31で逆転勝ちした。開幕から無敗同士の勝負を制したが、自慢のFW陣が機能せずに攻め込まれる場面もあり、常勝軍団にとっては不満が残る一戦となった。次の早大戦(11月6日、秩父宮)を前に、ボール争奪戦に課題が見つかった。

 勝利にも笑顔はなかった。圧倒し続けてきたFW戦で久しぶりに苦戦した。前半、この試合で最初のスクラムで押し込まれた。その後も崩れて反則が続く。立て直せないまま16分にゴール前のスクラムから先制トライを奪われた。予想外の展開に、岩出監督は失点後すぐに左プロップを入れ替えた。1度は修正したが、終盤は再び押された。開幕3試合で336得点、失点はわずかに3しかなかったが、出足が鋭い慶大のタックルに手を焼いた。ロック飯野は「体を当てる部分が足りない。守備を見直したい」と反省の表情。岩出監督は「心に隙があった。いい薬になった」と厳しい言葉で選手に奮起を促した。