世界5位で第1シードの錦織圭(27=日清食品)がツアー12勝目を逃した。同66位のアレクサンドル・ドルゴポロフ(ウクライナ)に6-7、4-6のストレートで敗れ、昨年4月のマイアミオープンからツアー決勝6連敗となった。次戦は、20日に開幕したリオオープンに第1シードで出場する。1回戦で同76位のベルッシ(ブラジル)と対戦する。

 優勝へあと1歩、届かない。安定感に波がありながら天才といわれた相手の果敢な攻撃は見事だったが、錦織が決勝での負の連鎖を断ち切れないのも事実だ。1度も相手のサービスゲームを破れず「サーブのコースが読めなかった。いつもより攻めが速かった」と5戦全勝の相手に敗れた。

 昨年末、決勝で勝てていないことについて「痛いところを突かれた」と苦笑いしていた。この日「もどかしさは多少あるが、内容はそこまで悪くないので心配はしていない」と悲観していなかったが、どの大会でも負けずに大会を終えられれば、大きな自信を得られるだけに、悔やまれる1敗だった。

 ブリスベン、今大会と今季2度目の決勝はともに1度も負けていなかったディミトロフとドルゴポロフが相手だった。両者ともに才能は折り紙付きながら、伸び悩んでいた。しかし、錦織には、失うものはないと向かってきた。その挑戦を受け止められずにいる。

 今週の大会は、昨年の五輪で銅メダルを獲得した思い出の地、リオデジャネイロだ。再び厳しい赤土の戦いに身を置く。2週連続第1シードでの戦いで、勝って当然と期待される重圧がかかる。「調子を上げていければいい」。打倒錦織に挑む相手の重圧をはねのけるタフさこそ、優勝への原動力となる。