自衛隊体育学校の入校式が12日、東京・練馬区の朝霞駐屯地で行われ、レスリング男子フリースタイル65キロ級のの高谷大地(22)らが出席した。拓大を卒業した高谷は「最高の環境で、競技に集中できる。まず国内の選考を勝ち抜いて、東京五輪では金メダルを獲得したい」と、気持ちを引き締めながら話した。

 同校は東京五輪(64年)への選手強化のために、61年に創設された。以来、すべての夏季大会に代表を送り、20個のメダルを獲得。昨年のリオデジャネイロ五輪でも陸上男子50キロ競歩の荒井広宙と競泳男子800メートルリレーの江原騎士が銅メダルを手にした。

 特にレスリングは金メダル5個を含む12個のメダルを獲得。今夏には12年ロンドン五輪男子66キロ級金メダルの米満達弘もコーチ留学先の米国から帰国する予定で「スパーリングするのが楽しみ。強い先輩もたくさんいて、練習相手には事欠かない」と高谷は話した。

 20歳で世界7位になって期待されたが「甘さが出てしまって」(高谷)リオデジャネイロ五輪代表の座は逃した。あえて厳しい環境に身を置いて「心身ともに鍛えて、世界と戦いたい」と言った。「保護者」として列席した兄でリオ代表の高谷惣亮も「心配もありますけど、頑張ってくれるでしょう」と、弟に期待を込めて話していた。

 同校には、この日新規体育特殊技能者として高谷ら16人が入校。今年からカヌー班と女子ラグビー班が加わり、夏季は11班(競技)編成。2度目の東京五輪に向けて「すべての班でメダル獲得」を目標に掲げている。