“森節”がさく裂した。2020東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(80)が18日、都内で行われたALSOK主催の式典に出席し、レスリング女子で五輪3連覇の吉田沙保里(34=至学館大職)が不在だったことに疑問を呈した。

 式典には同社所属の柔道とレスリングの世界選手権に出場する選手や同社関係者、来賓約700人らが出席。五輪4連覇の伊調馨のあいさつ終了後、森氏は「こうやって見ると、吉田さんがいないのは? (関係者から)至学館大の副学長になって『偉い方をお呼びするのはどうかと…』と、いうことを聞きましたが、それはおかしな筋だと思う」と釈然としない様子で語り、「みなさんで育てられた吉田沙保里さんです。最近は演技派になられて、俳優としても伸びておられると…」と、皮肉とユーモアを交えて来賓の笑いを誘った。

 同社の「看板」であった吉田は15年12月末に退社してフリーになった。昨年11月に母校である至学館大の副学長に就任。現役を続けながら、レスリング女子日本代表コーチを務めるなど精力的に活動している。

 式典前には柔道とレスリングの世界選手権に出場する計6人の選手が記者会見を行った。柔道女子78キロ級で2連覇を目指す梅木真美は「リオ五輪の(初戦敗退の)負けがあり、今年はゼロからのスタートの気持ちでやってきた。世界選手権では自分の甘さが出ない試合をして優勝したい」と決意表明した。