F1最終戦アブダビGPのフリー走行が行なわれ、1回目はセバスチャン・フェテル(フェラーリ)が1分39秒006、2回目はルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が1分37秒877でトップに立った。2011年にハミルトン自身が記録したコースレコード分38秒434を更新したが、2位フェテルは0.149秒差、3位ダニエル・リカルド(レッドブル)は0.303秒差と3強チームが僅差で続いている。

 「良い1日だったしたくさん周回数を重ねてマシンバランスを改善することができたよ。まだ改善できる箇所はあるけど、このサーキットでもかなり競争力がありそうだ。接戦であることに変わりはないけど、僕はそんなチャレンジが好きだしね」(ハミルトン)

 決勝に向けたロングランを行なうフリー走行2回目でマクラーレン・ホンダ勢はフェルナンド・アロンソが1・682秒差で10位、ストフェル・バンドーンが1・794秒差で12位。バンドーンは途中スピンを喫してエンジンをストールさせる場面もあったが、MGU-K(運動エネルギー回生システム)のモーターを利用してエンジンを再始動しピットに戻った。

 2台で新旧フロントウイングを比較したり、Tウイングと呼ばれるリアカウル上の空力パーツを外したりと空気抵抗を減らすトライをし、最高速は全車中9位と10位。フォースインディアやウイリアムズとほぼ同等の325・7km/hまで伸びた。

 ホンダの長谷川祐介F1総責任者は次のように初日フリー走行を振り返った。

 「やっていることを見ても明らかに『軽めのダウンフォースで最高速を出すかたちでやらないとレースにならないね』ということを考えて軽めのウイングで走って色々トライをしているというのは分かりましたね。でもやっぱりドライバーはすごく文句を言っていましたから(苦笑)、明日どうなるかはまだ分かりません」。

 マクラーレン・ホンダとしての3年間を締めくくる最後のレースとなる今週末は、ダブル入賞で有終の美を飾りたい。

 「終わりよければ全てよしではありませんが、2台揃ってポイントを獲って気持ち良く終わりたいですね」。

(米家峰起通信員)