青森・黒石市出身の神巧也(24=シチズン時計)が、卓球界の「モデル芸人」として盛り上げる。男子シングルス6回戦で過去3戦未勝利だった藤村友也(23=日鉄住金物流)に4-2で勝ち、2年連続8強。フォアで打ち続けるスタイルを変え「全日本の魔物の力が味方してくれた」と、苦手なバックも思い切り放って攻略した。

 ファッションリーダーも誓う今大会だった。チームユニホームのデザインを担い「とにかく派手で斬新に」をテーマにしたレインボー柄を披露して躍動した。「短パンに柄があるのは、ほとんどない。サッカーや他の競技のカラフルさに負けたくない」。自社製品の時計「Q&Qスマイルソーラー」も左手首に着け、バンドも虹でコラボした。

 得点時には「空前絶後の…」で有名なサンシャイン池崎に似た、上半身を反らして絶叫するガッツポーズを繰り返し、気迫をこめた。「泥臭くて、うるさいけれど、笑っていただければ良い」。第6ゲーム、7連続得点で試合を決めた最後はネットイン。卓球ではネットインやエッジに当たっての得点は、謝るのが暗黙のルール。「喜びたかったんですけれど…」と“芸”を封印せざるを得ない“オチ”までついた。

 今日20日の準決勝では、15年に決勝で敗れた水谷が相手。「明日まで時間があるので、対策を考えたい」。次は日本のエースを破って、スターに名乗りを上げる。【鎌田直秀】

 ◆神巧也(じん・たくや)1993年(平5)3月2日、青森・黒石市生まれ。浅瀬石小2年で競技を始め、青森山田中-青森山田高-明大経済学部卒業後、15年にシチズン時計入社。同年度の日本リーグ1部新人賞受賞。好きな歌手はMr.Children。好きな食べ物は筋子と和菓子。好きな言葉は「人生の“笑者”(しょうしゃ)になりたい」。愛称はジンタク。