世界２４位の錦織圭（２８＝日清食品）が惜敗した。元世界王者で同１８位のジョコビッチ（セルビア）に６－２、１－６、３－６で逆転負けを喫した。これで対ジョコビッチ１２連敗で通算対戦２勝１３敗となった。しかし、レベルの高い試合で、完全復調も間近。次戦は２７日開幕の４大大会、全仏オープン（パリ）に挑む。

　完全に戻ってきた感覚があるから、打倒ジョコビッチを逃し、いっそう悔しさが募った。「確実に勝てた試合だった。もったいない」。錦織は、だから「この負けはこたえる」。何度もチャンスがありながら「大事なポイントが取りきれなかった」とくちびるをかんだ。

　第１セットは、完全に主導権を握った。しかし、第２セットになると「球が浅く入ってしまった」ところを、相手に攻撃された。それでも、最終セット３－２リードでブレークポイントを握った。球を打ち切る機会もあったが「まだ少しメンタルの弱さが」と安全策にいき、逆襲された。

　昨年は、全仏前に２大会で４試合しか戦えず、急きょジュネーブに参戦し３試合を加えた。今年はすでに１２試合を消化した。「プレー自体は悪くない。復帰後、最初のグランドスラム。気持ちも自然と高ぶる」。赤土最高峰の大舞台で、完全復活に結びつける。【吉松忠弘】

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