レスリング女子で五輪4連覇の伊調馨(ALSOK)らが日本協会前強化本部長の栄和人氏から受けたパワーハラスメント問題で、日本協会は20日、東京都内で臨時理事会を開き、調査を委託した弁護士3人による第三者委員会がパワハラと認定したことで栄氏を常務理事から解任する方針を決めた。今後、倫理委員会に諮り、6月の評議員会で決議する。

 第三者委員会は報告書で栄氏が伊調選手に対し「よく俺の前でレスリングできるな」と放った暴言などの4件をパワハラと認定。栄氏は報告書が公表された4月6日付で強化本部長を辞任した。

 臨時理事会では内閣府の公益認定等委員会から今月31日までの報告を求められたパワハラの再発防止に向けた取り組みなどについても協議した。内閣府に提出された告発状で不適切と指摘された日本協会の会計処理に関しては外部の弁護士と公認会計士を入れ、調査することも決めた。