アメリカンフットボール部の選手が悪質な反則で関西学院大の選手を負傷させた日本大の危機管理学部の金惠京准教授が25日、文化放送「くにまるジャパン 極」(月~金曜午前9時)に生出演し、反則行為を実行したのは内田正人前監督(62)と井上奨コーチ(30)から指示を受けたからなどと会見で告白した、宮川泰介選手(20)について「卒業し、就職するまで守り、フォローするのが学校の、学部としての総意」と明言した。

 番組の中で、司会の野村邦丸アナウンサーから「宮川君の行方というのは、日本大学スポーツ科学部はどのように考えているのだろうと関心がある方が多いと思うんですが、スポーツ科学部の総意はどうなんでしょう」と質問が出た。金准教授は「昨日も皆とお話ししたんですけれども、宮川君はもともと、とてもまじめに勉強にも励む学生だったんですね。ですからスポーツ科学部の全体としては、彼を卒業できるように、途中でやめることは絶対にないように守っていこうと、学部が皆、力を合わせて、彼が卒業して就職するまで守ってフォローしていきましょうというのが、学校の学部としての総意なんですね」と明言した。

 野村アナが「スポーツ科学部と危機管理学部は同じキャンパスにあります。密接に連携しあっている1つのキャンパスで、その中で日本大学危機管理学部の先生たちの総意ということなるのですね」と確認の質問をすると、金准教授は「うちの学部としては、今の学生、スポーツ科学部の学生とか危機管理学部の学生をどういう風にフォローしてケアしていくのかと。もともと全国で優秀な人が集まってきたわけなんですね。特に目的意識が高くて、自分の目指している専門分野がはっきりしている優秀な学生が集まってきている」と、まず危機管理学部について説明した。

 その上で「特に私のゼミ生の場合は、先週から特に昨日からゼミ生だけで集まって『学生としてとっても心が痛いことが起きました』と。その中でも『学部の中では、勉強を充実して、いろんな研究をして、皆、一生懸命やっている姿があるのに、社会問題になって、悪い印象があるかもしれない』ということにとても悩んでいたんですね。学部としてはその学生をどういう風にケアしていくのかをまず第一に考えていきましょうと。ゼミ生としては、自分たちの活動、こういう研究をしてこういう風に頑張っているということを社会に伝えたいという気持ちでいっぱいです」と、社会問題化したことで学生も風評に心を痛めている現状を明らかにした。

 野村アナからは「ゼミの学生さんたちは危機管理というもの、国際テロとか、国と国の間の大きなマクロな話を中心に研究されていると思うのですけど、今回は自分の通っている大学の危機ということで、ずいぶん誤解もね、なんで危機管理学部があるのと言われていますけど、学生たちが自ら、じゃあ、自分たちの研究ということで、ずいぶん夜遅くまで話し合ったと」と質問が出た。

 それに対し、金准教授は「皆、集まって、今後、うちの学部、学生がどういう風に研究活動をしていくべきかを話しあったり、学部としては、スポーツ科学部だったり危機管理学部の場合、本部とは違って、一般的に社会問題となっているのは、日大を危機管理をしている部署の1つとしてとらえていることもあるんですが、あくまでも教育機関なんですね。あくまでも学問を教えるところ。ちょっと勘違いしているところもあってそれが広まって、学生としては心が苦しい、痛いということがたまにみられるんですね」と、学問を教える場である危機管理学部が、危機管理をする部署だと勘違いされていると指摘した。

 その上で「今回の問題で重要なのは、経緯が明らかになることと、どこが大きな問題だったのかが分かれば再発は避けられるので、絶対こういうことがないように、日大の学生も一緒に考えていかなくてはいけない問題です」と、真相の究明が再発防止には不可欠であることを強調した。