国際スケート連盟(ISU)が14日、20-21年シーズンから採用するジャンプの基礎点変更について公式サイトで説明した。

11日に改定が発表されていた新基準では、4回転ルッツが11・50点から11・00点に下がり、4回転ループが10・50点から11・00点に上がった。もともと11・00点だった4回転フリップは維持され、成功例がある現在の難易度トップ3のジャンプが同じ基礎点で並ぶことになった。3回転も、ルッツが5・90点から0・60ポイント下がってフリップと同じ5・30点になっていた。

この決定について、ISUのファビオ・ビアンケッティ技術委員長(イタリア)が解説。まず「シーズン中に行われた調査で、3回転フリップと3回転ルッツの難易度は全く同じであると考えられた」。2つのジャンプを比較し「跳ぶ技術も準備の仕方も同じ。一方が難しいという基準は非常に主観的だ。そもそも、スケーターの体に依存する」とした。

続けて「1回転と2回転のルッツはそれと異なり、2回転までのフリップよりは少し難しい。よって1回転と2回転の基礎点は変更しない。ただ、これが3回転、4回転になってくると違いはなくなる」と、3回転以上のルッツの基礎点を下げた理由を明かした。

その上でループのベースアップに関する説明を加えた。「統計を見れば、4回転ループが最も難しいジャンプである可能性が高い。ただ、これもスケーターの体に依存する。議論した結果、3本の4回転ジャンプの基礎点を同じ値にすることを決めた」と明かした。

4回転ループは、冬季五輪2連覇の羽生結弦(25=ANA)が16年9月に世界で初成功したジャンプ。まだ誰も跳んだことがない4回転半(クワッドアクセル)を除けば、最も成功順が遅かった。