男子で葛西紀明(49=土屋ホーム)が4位に入り、昨季3月の宮様国際(ラージヒル7位)以来となるトップテン入りを果たした。岩佐勇研(東京美装)が129・5メートル、141メートルの計267・7点で初優勝した。

9大会連続の冬季五輪出場は逃したが、49歳のレジェンドが意地を見せた。1回目130メートル、2回目135メートルとK点越えをそろえ、観衆を沸かせた。「W杯メンバーも国内大会を気にしていると思う。『葛西がまた上がってきた』という元気というか、そういうものを届けられれば」。これまでは、兼任する所属先の後輩で北京五輪金メダル候補・小林陵侑(25)のジャンプを自然と意識してしまっていた。「陵侑にしかできないジャンプを僕も自然とやってしまい、崩してしまったのかもしれない」と自分のジャンプを取り戻した。

北京にはコメンテーターとして現地入りする。「全力でやって来ようと思う。みんなが活躍してメダルを取ると、うれしさ反面、悔しさもあるだろう。それを自分の今後の頑張りに変えていきたい」。メダルを狙う小林に対しては「陵侑がメダルをとって監督にかけてあげる、といううわさもあるので、そうしてくれたらちょっと涙が出るかもしれない」と期待を寄せた。