<柔道:全日本選手権>◇29日◇東京・日本武道館

 5度目の出場となった加藤博剛(ひろたか、26=千葉県警)が初優勝を飾った。本来は90キロ級でこの日も体重93キロだったが、体格で上回る相手に一本勝ちを重ね、決勝でも100キロ超級の石井竜太(24=日本中央競馬会)を1分29秒、隅落としで下した。無印男は「夢なのかなんなのか。自分がどこにいるか分からなくなってしまった」と半ばぼうぜんとしながら、栄冠に浸った。

 重量級以外の選手の優勝は、1972年(昭47)の関根忍以来40年ぶり。「あまり意識はしていませんでした。何が何でも勝つという気持ちで」と無心で目の前の試合に集中していたという。ロンドン五輪出場の資格はないが、「世界を目指していきたい。ステップアップしたい」と飛躍を期していた。