2020年夏季五輪招致を目指す東京への国際オリンピック委員会(IOC)評価委員会の現地調査が4日午前、都内のホテルで始まり、安倍晋三首相が「聖火を東京に持ってこられるようにお願いする」と英語でスピーチした。首相は日本語で「より速く、より高く」と節を付けて五輪の歌も披露した。

 評価委は4日間にわたり14項目のテーマに沿って東京の開催計画を精査する。現地調査はIOCが公式に候補都市を訪問する唯一の機会で、東京にとっても選手村から半径8キロ圏内に会場の85%を配置したコンパクトさなど、計画の優位性をアピールする好機となる。

 東京都の猪瀬直樹知事は「皆様との間に、前向きで強い絆を結ぶことができれば本当にうれしい」とあいさつ。招致委員会の竹田恒和理事長は「最高の東京、最高の日本、そして私たちのベストをお見せしたい」と評価委に決意を述べた。

 第1日のプレゼンテーションは大会理念や会場計画、選手村などがテーマで、サッカー女子の澤穂希(INAC神戸)らが出席。選手に最高の舞台を提供できると訴えた澤は、プレゼン後に「招致活動が本格的になったと実感した。(東京の計画は)選手村から10分で会場に行ける。試合に集中できる環境だと思う」と話した。

 現地調査は東京、マドリード、イスタンブールの順で行い、評価委がまとめる報告書は開催都市を決める9月の投票でIOC委員が参考にする。

 [2013年3月4日12時52分]日刊スポーツのオススメ