<テニス:ATPツアー・ファイナル>◇1次リーグB組◇9日◇ロンドン◇男子シングルス

 アジアから初出場の世界ランキング5位錦織圭(日清食品)が、同6位のアンディ・マリー(英国)を6-4、6-4のストレートで下し、1次リーグB組初戦で大きな1勝を挙げた。

 錦織は、A・マリーからこれまで1セットも奪ったことがなく、過去3度の対戦で全敗だった。

 試合を終えた錦織は「大きなスタジアムで緊張もあったけど、しっかり自分のプレーが出来て、マリーに勝てたのはうれしい。(マリーに)3敗していたし、少なからず苦手と感じていたのが片隅にあったのかも知れない。(今年は)自分のレベルが違うのも感じていたし、新しい自分で戦って勝利も取れたのでうれしい」と、難敵からもぎ取った白星の味をかみ締めた。

 錦織は、第1セットの第5ゲーム、2-2からダブルフォールトでブレークされたが、続く第6ゲームをラブゲームでブレークバックした。

 3-3で迎えた第7ゲームは、デュースから長いラリーを粘って連続ポイント、サービスゲームをキープすると、思わずガッツポーズも出た。

 5-4で迎えた第10ゲーム、A・マリーのドロップショットがネットに掛かり、第1セットを6-4で先取した。

 第2セットは4-2で迎えた第7ゲーム、錦織が、ボレーの連続ミスでブレークを許し4-3となった。

 5-4で迎えた第10ゲーム。最後はA・マリーのバックハンドがエンドラインを大きく越えてミスとなり、錦織が第2セットも6-4で取り、勝利を収めた。

 錦織は「試合に集中できた。試合中もしっかり気持ちを集中することができた。(マリーにはこれまで全敗)苦手というかやりにくさというか、彼のミスのないストロークとサーブにやられていた。(今日は)自分からしっかり攻めることができた。今日のゲームの入り方で、攻撃的なプレーを心掛けたので勝ち切れた。(次戦へ)今日はファーストサーブが入っていなくて流れを作れなかった。第1セットの後半から(サーブが)入ってきて流れがよくなった。サーブが(次も)キーになるので、サーブから自分らしいプレーをしたい」と、次戦に向けて気を引き締め直した。

 錦織は、世界ランク2位のロジャー・フェデラー(スイス)、同8位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)とも同組で対戦する。

 大会賞金総額は650万ドル(約7億4750万円)。1次リーグは4人ずつ2組に分かれて総当たりで争われ、各組上位2人が15日の準決勝に進む。