<バレーボール:全日本男女選抜大会>◇初日◇1日◇大阪府立体育会館◇男女予選リーグ

 予選D組のパイオニア(山形)は3-1で日立佐和に逆転勝ちし、3年ぶり3度目の優勝に向けて白星発進した。今季5位に終わったリーグ戦のレギュラー全員(リベロ除く)が入れ替わる中、この日19歳の誕生日を迎えた高卒ルーキー冨永こよみ(東京・下北沢成徳)が、社会人公式戦デビュー。ライト、セッター兼任としてメンバーで唯一、フル出場し計9得点(ブロック1)を挙げチームの勝利に貢献した。パイオニアが「フレッシュパワー」で、相手をねじ伏せた。日立佐和に第1セットを先取されたが、第2セットはレフト杉本の4連続サーブ得点で逆転。セットポイントから冨永が右アタックを決めた。第3セットも18-23から冨永と杉本のブロックなどでジュースに持ち込み、センター高橋のブロックと杉本の左アタックで逆転。吉田監督は「リーグ戦とは人も戦術もまったく違うが、これが現時点のAチーム」と現メンバーで今大会を貫く姿勢を示した。

 北京五輪最終予選の日本代表レフト栗原、センター多治見に加え、同代表候補だった庄司も登録が間に合わず欠場。さらにレフト佐々木主将、ライト江口、セッター内田が体調不良でベンチから外れる中、先発陣の平均年齢は約20・6歳と9歳近くも若返った。元ジュニア日本代表で、昨年の全国高校私学大会以来の公式戦出場になった冨永は「緊張しましたが、ユニホームを着てやる以上、パイオニアの代表という気持ちでプレーしました」と自らの誕生日を白星で飾った。

 準レギュラー格のセナの対角で、栗原と佐々木主将の穴を埋めた杉本も、将来のエース候補の片りんを披露。「若手だけで不安でしたが、年が近いから声をかけやすかった。思い切りやるだけです」と予選全勝での決勝トーナメント進出を見据えた。【佐々木雄高】