北京五輪陸上男子400メートルリレーで銅メダルを獲得した塚原直貴(23=富士通)が、レースの「冠」になることが4日、分かった。6日に開幕する陸上の長野県選手権で、男女400メートルリレーが「塚原直貴杯」になる。長野陸協が、地元出身のメダリストの偉業をたたえて決めたもので、今後は永久的に塚原の名が、レースに残ることになった。

 これまで「有森裕子杯」など、長距離走者の名前を冠したロードレースは少なくないが、短距離でしかも現役選手の名が付くことは異例。長野陸協事務局の宮坂典明氏は「メダルを取った後に、話が持ち上がった。彼の名前を残したかったんです」と説明した。

 塚原は北京五輪で第1走者を務め、銅メダルへの流れをつくった。トラック種目でのメダルは80年ぶりで、男子史上初。注目度は、アンカーの朝原に及ばないが、100メートルは日本選手権で3連覇を果たし、北京五輪で準決勝に進出するなど、メダル取りに貢献した実力は疑いない。

 5日には長野県知事を表敬訪問し、6日には「第1回塚原直貴杯」が開催される県選手権の開会式であいさつを予定。その後に、出身地の岡谷市内で200メートルを練り歩く「パレード」が開催されるなど、冠レースと同様に地元は盛り上がっている。