全日本柔道連盟(全柔連)は4日、12年ロンドン五輪に向けた日本代表の新監督を発表し、男子はシドニー五輪男子100キロ超級銀メダリストの篠原信一氏(35)、女子は93年世界選手権男子60キロ級王者の園田隆二氏(35)が就任した。篠原新監督は会見で「ゆとりのある強化はしない。厳しくやる。(プロ転向した)石井より強い選手がロンドンまでに出てくる可能性が大きい。石井抜きでも問題ない」とポスト石井育成、男子日本復建へ向けスパルタ宣言した。

 北京五輪で男子は過去最低のメダル2個(金2)に終わり「日本のレベルが落ちている」と痛感。来年から五輪出場権をかけた国際連盟制定のランキング制が始まるが「各階級2~3人ずつのトップをGPに出す。選手の入れ替えはあるが、基本的に私が出るのはトップだけ」と少数精鋭による徹底強化態勢を敷く。

 メリハリをつけた厳しさを追求する。前体制はベテランに調整を任せた部分が多かったが「練習が始まっているのにテーピングを巻いている選手がいた。そういうことはやらせない」。故障で次の大会を欠場する選手も多いため「少々の故障なら大会に出てもらう。五輪を絶対取るというハングリーさのない選手はどんどん切る」と断言した。

 シドニー五輪決勝のドイエ戦の誤審による敗退を「(誤審があった)あそこで気持ちを切り替えていれば結果も違っていたかなと思う。技術と体力は必要ですけど、心が大事になる」と振り返り、選手に五輪に精神的な強さを要求する。任期は1日から4年。講道館杯(15~16日)、嘉納杯東京国際(12月12~14日)を経てランキング制が始まる来年の代表を選出することが「闘将」篠原のロンドンへの第1歩となる。【菅家大輔】