<バドミントン:全日本総合選手権>◇3日目◇15日◇東京・代々木第2体育館

 今大会限りでコンビを解消する小椋久美子(25)、潮田玲子(25=ともに三洋電機)組が「有終の5連覇」に王手をかけた。準決勝で高校総体王者の高橋、松友(ともに聖ウルスラ学院英智高)組に21-11、21-12のストレート勝ちを収めた。16日の決勝で北京五輪4位の末綱聡子、前田美順(ともにNEC・SKY)組と対戦する。7月の全日本実業団で日本人相手の連勝を21で止められた因縁の相手にリベンジを果たし、オグシオのラストゲームを最高のエンディングで締めくくる。

 勢いのある高校生ペアにオグシオが格の違いを見せつけた。第1ゲームは6-7まで慎重だったが、その後8連続得点で圧倒した。小椋の豪快なスマッシュに、相手の松友は「ラケットにかすることすらできなかった」。前衛の潮田はネット際から巧みにクロスを決めた。第2ゲームは1度もリードを許さない完勝。「自分たちのプレーができた。(フルセットを戦った)昨日の経験が大きかった」と、潮田は振り返った。

 隣のコートで先に末綱、前田組が勝利を収めた。ライバルの決勝進出が発奮材料になった。通算対戦成績では8勝2敗と勝ち越してはいるが、7月の全日本実業団選手権では決勝で0-2と完敗。4年ぶりに日本人相手にストレート負けを喫した。北京五輪でも成績は末綱、前田組の方が上。長い間、女子バドミントン界を引っ張ってきた第一人者として、このまま終わりたくなかった。

 オグシオ最終戦となる決勝は5連覇がかかる。しかし、「5連覇よりもリベンジがしたいと、2人で話していた。最後に勝って終わりたい」と潮田。小椋も「守ってしまったら駄目。思い切ってやりたい」。勝っても負けてもあと1試合。3年連続で決勝で顔を合わせる因縁の相手に雪辱して、「有終の美」をファンの目に焼き付ける。【阿部健吾】