<別府大分毎日マラソン>◇1日◇大分市営陸上競技場発着(42・195キロ)

 マラソン挑戦12度目のベテラン小林誠治(32=三菱重工長崎)が2時間10分38秒で日本人トップの2位に入った。初マラソンの秋葉啓太(29=小森コーポレーション)と競り合い、35キロすぎに秋葉を抜き去ってトップ争いをしたが、最後はアディル・アンナニ(28=モロッコ)に突き放され2位となった。連覇を狙った足立知弥(23=旭化成)は6位に終わった。

 過去11回のマラソンの経験が小林の力となった。前半のスローペースから、追い風となった27キロすぎには一気にペースアップ。トップ集団がばらけた30キロからは秋葉にピッタリついた。トップとの差を保ちながら35キロで秋葉を置いて1人で飛び出す。36キロすぎには一時、アンナニとトップ争いを演じた。「初マラソンの秋葉君には負けたくなかった。経験がものをいったかな」。2位に終わったが、豊富なマラソン経験が小林の背中を押した。

 昨年12月の福岡国際マラソンで世界選手権代表を狙ったが20位と惨敗。駅伝の疲れが残ったままで調整もうまくいかず20キロで限界が来た。その夜にすぐに「やり直したい」と黒木純監督(37)に別大出場を志願。年末の天草合宿では1000キロの走り込みを行った。日本人トップでも今回の結果では世界選手権代表は厳しい。それでも「日本人トップになり自己記録を更新したのはうれしい。世界選手権も意識はあったけど、今回は欲を出さずに臨みました」と結果を残せたことには満足している。

 目標はチームで初めて2時間10分の壁を破ることだ。「世界と戦うにはサブテンを狙わないとだめですから」。小林の世界を目指す気持ちはますます高まっている。【前田泰子】