10年バンクーバー五輪を目指すソリ系競技の美女3人が、スポンサー獲得へ珍作戦を敢行する。リュージュの原田窓香(23=信州大)、ボブスレーの本間南(23=東京都連盟)、スケルトンの小室希(24=仙台大大学院)が8日、新ユニット「L☆BS(エルビス)」を組み、都内のスタジオで写真撮影を行った。日本ボブスレー・リュージュ連盟関係者の仕掛けによるもので、宣伝材料として写真集を作製。今後、美女写真集を武器に、資金難解消と競技普及に挑戦する。

 慣れない写真撮影にも、選手たちは照れを隠してポーズを取った。東京・港区のスタジオで約5時間。競技用のユニホームを含め、3度衣装替えしながら、笑顔を振りまいた。

 仕掛け人は、日本ボブスレー・リュージュ連盟のスケルトン強化委員の井上将憲氏。ボブスレー代表で2度五輪に出場し、マイナー種目の悲哀を味わってきた。世間から注目してもらい、資金難解消の一助になればと、ソリ系競技で実力を備えた美女3人に声を掛けた。ユニット名は、リュージュ、ボブスレー、スケルトンの頭文字を合わせて、「L☆BS」に決めた。

 06年トリノ五輪リュージュ代表の原田は「私自身の知名度を上げたいのではなく、これで競技のことを知ってくれる人が増えたらうれしい」と話す。一方で、資金繰りの厳しさはつきまとう。作った写真集は書店で売るのではなく、スポンサー探しやメディア露出のための宣伝材料だ。

 ソリ系競技の場合、日本で滑走練習するには冬を待たなくてはいけない。慣れることが強化に直結する競技にとって、海外合宿は不可欠。連盟も資金は潤沢でなく、各選手はこれまで1シーズンで50~200万円の自己負担金を払って、合宿や遠征に参加してきた。

 横浜中華街で時給1000円のアルバイトをするボブスレーの本間は「お金が掛かって大変です。スポンサー探しで、何社かメールを送りましたがなかなか…」と話し、スケルトンの小室は「不況で、スポンサーが見つかりません。なんとか両親に助けてもらっています」と明かした。

 この日、約7万5000円を自腹で工面し、撮影を実現させた井上氏は「彼女たちは、実力もある上に、かわいい。ぜひ、競技に注目してもらいたい。(資金は)ぶっちゃけ、1人1000万円は欲しい」と訴えた。【佐々木一郎】