<バレーボール:全日本選手権>◇3日目◇18日◇東京・代々木体育館◇男女準々決勝

 女子のJTが苦しみながらも準決勝に進出した。エース金軟景(韓国)が風邪で今大会欠場濃厚の中、セッター竹下佳江(32)が他の選手をうまく使いながら、トヨタ車体を3-1で下した。女子はデンソー、久光製薬、東レも4強に進出した。

 絶対的エースの欠場で、JTは苦戦を強いられた。第2セットを24-23とリードしながらトヨタ車体に逆転で奪われた。第3、4セットもリードを許したが、終盤追いついて逆転する展開での4強進出。石原監督は「苦しいゲーム、だからこそ勝ててよかった」と、ホッとした表情をみせた。

 大会前に38度の高熱を出した金が欠場。昨季1セット平均6点以上のプレミア得点王の穴を「とっかえひっかえ、全員で埋めないと」(石原監督)という状況。コートの中で谷口、吉沢、高木、石川、加藤らを縦横に操ったのがセッター竹下だった。「(金)ヨンギョンのいない中でどうやって勝つかを考えた。苦しい場面はたくさんあったが、チームはつながっていると思う」と振り返った。

 今大会、金の出場はあてにはできない。中堅どころからプラスアルファを引き出さなければ、厳しい戦いになる。「絶対的エースがいないが、総合力でどう1点を取っていくか。いい展開をつくりたい」。日本を世界選手権銅メダルに押し上げた竹下の、腕の見せどころだ。