東京都が16日、2020年夏季五輪招致に正式に立候補した。同日の未明に、日本オリンピック委員会(JOC)宛てに、立候補を表明する正式文書を提出。それを受けてJOCが臨時理事会を開催し、国内立候補都市として東京を選び、近く国際オリンピック委員会(IOC)に届け出る。東京は16年に続く立候補となる。

 この日、都内でJOCおよび日本体育協会の創立100周年祝賀式典が開催され、JOCの竹田恒和会長は「日本は(東日本)大震災の復興を果たさなくてはならない。五輪開催で立ち上がる姿を世界に発信したい」と、テーマに「復興のオリンピック」を掲げた。

 同震災で被害の大きかった岩手、宮城、福島の県知事には、石原慎太郎都知事がすでにテーマの意向を説明。「ぜひやってほしい」と快諾を得たという。具体的な被災地との協力関係は、竹田会長は「私案」としながら<1>サッカー競技開催<2>トーチリレーのルート地<3>被災地からの五輪ボランティアの募集、という3点を挙げた。

 16年の招致失敗では「なぜ東京か」というテーマの欠如に加え、IOCや国際スポーツ界での人脈のなさが指摘された。それだけに石原都知事は「都が汗をかいて血みどろになって金と施設をつくるから、JOCも血みどろになって勝ってこい」と、石原節でJOCを鼓舞した。

 20年夏季五輪招致には、すでにローマ、マドリードが立候補を正式に表明。イスタンブール、ドーハなども関心を示しているという。竹田会長は「最高のクオリティーで開催できると判断。勝算はある」。石原都知事も「勝たなくては意味がない」と16年のリベンジに意欲を燃やした。20年夏季五輪開催都市は、13年9月のIOC総会で決定する。【吉松忠弘】