<柔道:マスターズ大会>◇初日◇14日◇カザフスタン・アルマトイ

 女子48キロ級決勝で、福見友子(26=了徳寺学園職)が世界選手権2連覇の浅見八瑠奈(23=コマツ)に優勢勝ちし、ロンドン五輪代表争いで踏みとどまった。

 代表争いで後れを取っていた福見が執念を見せた。決勝の浅見戦。何度も苦しめられた足技を警戒し、投げ技にもしっかりと対応した。攻める姿勢で上回り、試合中盤には3歳年下のライバルに指導が2つ、立て続けに与えられた。組み手争いも制して逃げ切った。「勝たなきゃ始まらない。背水の陣だった。暗闇の中で、少し光が差したかな」と安堵(あんど)した。

 浅見とは10年世界選手権から、直接対決で3連敗。「もう無理かもと諦めかけた」。だが、五輪の夢は諦め切れなかった。地道な稽古をひた向きに続けた。その成果がやっと実った。「自分のやってきたことは間違いなかった」と言葉をかみしめた。

 ただこの日、宿敵から一本は奪えなかった。笑顔を見せたのは表彰台の上だけ。「勝ちたいばかりに縛られず、柔道を思い切りやる。今は光がちょっと差したくらい。光を体全身に浴びられればいい」。原点に返った26歳の逆襲が始まる。