【秦皇島(中国)10日=阿部健吾】「沢さん」と一緒にロンドンへ。ベスト8入りでロンドン五輪出場が決まるアマチュアボクシングの女子世界選手権(中国)は今日11日に開幕する。お笑いコンビ「南海キャンディーズ」のしずちゃんこと、ミドル級代表の山崎静代(33=よしもとクリエイティブ・エージェンシー)はこの日、公式練習に参加。交遊のあるなでしこジャパンのMF沢穂希(33)との五輪出場を熱望しており、08年北京五輪で沢も活躍した秦皇島でロンドン切符をつかむ。

 山崎には胸にとめている1つの約束がある。「一緒にロンドンに行きましょうね」。言葉の主はなでしこジャパンの中心的存在である沢だ。「そんなん言ってくれて、うれしかったですね」と昨秋を思い出す。

 初対面は昨年11月。9月のアジア最終予選で、沢がロンドン五輪出場を決めた後だった。30人以上が集まった食事会で知人に紹介してもらった。「その時は人数もいっぱいいてあまり話せなかったんですけど、その後からメールなどをくれて」。「頑張って」など、試合前などに激励メールが届くという。

 同じ33歳の同学年。山崎も茨木西高時代はサッカー部に所属、ポジションもMFなど、話も合った。「自分はすごく下手でしたけど…。去年のW杯の優勝はすごかったです」と尊敬する。

 その沢が激闘を繰り広げたのが、今回の試合会場がある秦皇島だ。08年北京五輪では1次リーグ2試合、準々決勝の計3試合を戦った。特に猛烈なブーイングを浴びた準々決勝の中国戦では、前半15分にコーナーキックから頭で先制点を挙げ、2-0で勝利した。日本の五輪初の4強入りに貢献した。ボクシングの会場は、そのサッカー場の隣。8日に会場を下見した際は、隣のサッカー場をみて、「ここですか」と感嘆していた。

 取材陣が選手村に入れなくなり、非公開練習となるなか、この日は約1時間半体を動かした。今日11日は計量と抽選がある。体重はリミットの75キロを700グラム下回っており順調。「良いくじに当たればいい。くじ運は良い方ですよ」と期待していた。