前代未聞の中国選手大量欠場だ。バドミントンのヨネックスオープン(代々木第1)は18日、予選が開幕。しかし、出場予定だったロンドン五輪男子シングルス銅メダルの■龍、同ダブルス金メダルの傅海峰、蔡贇組を含む22人の中国選手が、尖閣諸島国有化問題を理由に欠場すると、この日、日本協会が発表した。14日、中国協会から世界バドミントン連盟(BWF)に連絡が入り、日本協会に伝えられた。同大会に中国選手が出場しないのは初めてだという。反日デモの悪化を受け、選手派遣の中止、撤退など他競技にも影響が出ている。

 ついに尖閣問題が、スポーツ界にも飛び火した。今大会は五輪や世界選手権に次いで格の高いスーパーシリーズのひとつで、中国選手の突然の全員欠場に、日本協会は困惑を隠せない。すでに本戦や予選の組み合わせができた後の欠場表明に、日本協会の今井茂満事務局長は「このようなことで、(選手が)来なくなるのは非常に残念」と、話した。

 2週間前の本戦の組み合わせ抽選の時点で、中国選手は22人いた。しかし、14日になって、中国協会からBWFに「今の情勢の中で、日本に派遣はできない。(中国)協会として判断した」と連絡が入った。同日にBWFから日本協会にその旨、伝えられた。協会自体が自主的に欠場を決めたようだが、関係者筋は「中国政府の方針」が理由としている。

 すでに、先週に中国・常州市で開催された中国マスターズ大会で、欠場のうわさは出ていたという。しかし「中国協会から日本協会には、欠場について何の連絡もない」(今井事務局長)という。宿泊予約などもそのまま。日本協会はBWFからの連絡を受け、自主的に予約をキャンセルした。

 ドローができあがってからの欠場は、ルール上、棄権扱いとなる。原則的に、ドローをやり直すことはない。しかし、18日の監督会議で、男女シングルス、男子ダブルスは中国選手が多く、棄権扱いとするとドローに影響を与えると見なされ、中国選手抜きで再ドローが特例で認められた。

 本戦に出場する中国選手を棄権とした女子ダブルス、混合ダブルスは、異例の組み合わせとなった。当初、女子ダブルスは1回戦なしが11組ある32ドロー。それに加え中国ペアが2組、日本ペアが1組棄権した。その結果、スエマエは、試合なしでベスト8が決定している。※■=言ヘンに甚