<フィギュアスケート:世界選手権>◇最終日◇16日◇カナダ・オンタリオ州ロンドン

 2年ぶり出場の金妍児(韓国)が218・31点の圧勝で復活優勝を飾った。

 圧巻だった。10年バンクーバー五輪金メダルの金が、再びカナダで輝いた。スピンで1つ最高難度のレベル4を取れなかった以外はミスなし。スタミナを不安視する声もあったが、冒頭の連続3回転から最後のスピンに至るまでスピードは衰えず。「素晴らしい演技ができた。滑り切ったことを誇りに思う。何と言っていいか分からない」。ミュージカル「レ・ミゼラブル」がテーマの演技後には、右手で口元を押さえて感極まった。

 五輪の金メダルで夢がかない、試合では順位の重圧より楽しみが上回るという。スコアは自身が持つ同五輪での世界歴代最高点228・56点に迫る数字。今季復帰し、2年ぶりの世界舞台で健在ぶりを証明。表彰式では合唱団が歌う韓国国歌に目頭を熱くした。「とにかく幸せ。ベストは尽くせたと思う」。引退を決めているソチ五輪での2つ目の金メダルへ最高のスタートを切った。