<全農カーリングソチ五輪世界最終予選日本代表決定戦>◇15日◇札幌・どうぎんカーリングスタジアム

 ロコ・ソラーレ(LS)北見の“マリリン”こと本橋麻里(27)が、ソチ五輪の可能性が消滅して号泣した。1次リーグ3勝3敗で並んだ中部電力と決勝進出を懸けてタイブレークで対戦し、2-10で敗退。昨年5月に結婚した本橋は「お母さんになりたいなという夢もある」と発言し、今季終了後に休養に入る可能性も出てきた。

 本橋が、こぼれる涙を指でぬぐった。「もっと必要にされる選手になりたいという気持ちの半面、お母さんになりたいなという夢もあります。4年に1度は自分でゆっくり考える時間をもらえるかな。五輪がすべて終わった時点でいろいろ考えたい」。06年トリノ、10年バンクーバーと五輪2度出場したマリリンは、来年2月のソチ五輪終了後に、競技を離れて休養する選択肢があることを示した。

 タイブレークで、力尽きた。自らのミスもあって試合開始から3点、2点、2点と3エンド連続失点。2-10となった第7エンド後にギブアップした。10年にチーム青森を離脱して、故郷でLS北見を立ち上げ。通年型リンクがなく、氷を求めて札幌で短期合宿を繰り返した。「イチからチームをつくった。自分で(チーム青森に)サヨナラして。正直つらい時期もあったが、家族の支えもすごく大きかった」とまた泣いた。

 昨年5月に一般男性と結婚。母になる夢をかなえるためには、競技生活にブランクができることは避けられない。ただ北海道銀行には小笠原歩、船山弓枝と休養、出産をへて復帰した「カーママ」もいる。本橋は「歩ちゃん、弓枝ちゃんの話を聞くと『大きな経験(出産)をしたから、負けても痛くない。勝っても負けても、子どもが、家族が待っていると楽しいよ』と。いいなあとも思う」と目に涙を浮かべたまま笑った。将来的に「カーママ・マリリン」としてプレーする可能性もある。【益田一弘】

 ◆ママさん五輪代表

 冬季ではこれまでいないが、夏季で日本代表の「ママさん」メダリストは4人いる。64年東京大会で体操の池田敬子、小野清子が出場し、団体で銅メダルを獲得した。08年北京大会で柔道の谷亮子が銅、12年ロンドン大会でバレーボールの大友愛も銅メダルを獲得した。最近の出場選手では08年北京大会ビーチバレーの佐伯美香、12年ロンドン大会クレー射撃の中山由起枝らがいる。来年2月のソチ大会には、フィギュアの安藤美姫、スキーハーフパイプの三星マナミ、スピードスケートの岡崎朋美が出場を目指している。海外では、カーリングなどで多くのママさんアスリートが五輪に出場している。