ソチ五輪出場を決めた女子アイスホッケーの足元で、分裂騒動が発生した。日本連盟は28日、都内で新理事を選任する評議員会を開いた。会長就任予定だった竹田恒治氏(69)の推薦した理事10人中6人が落選。一方で会議の冒頭で緊急提出された評議員推薦理事が8人中5人当選する波乱が起きた。評議員会後の理事会は急きょ中止となり、新会長選出も見送られた。

 混迷の伏線はあった。7月下旬、常務理事で強化本部長だった坂井寿如氏(49)が突然、解任された。フェイスブックに連盟批判を投稿したなどの理由だったが、一部の理事と評議員は反発。執行部には坂井氏の復帰要望書が出された。執行部と解任反対派は一時、法的手段も辞さない考えを示すなど対立は深まった。

 この日の評議員会では、坂井氏の解任反対派が、坂井氏を含む推薦理事候補を提出。坂井氏が理事に選ばれる一方で、竹田氏の推薦理事で専務理事就任予定だった栄木裕氏(66)は落選した。評議員会後、会長と役員を選出するはずだった理事会は中止。一部の評議員は「これで全面戦争になる」とまで言った。

 今後の見通しは立っていない。メンツをつぶされた竹田氏の会長辞退、一部理事の辞退などのうわさも飛び交う。新会長、新役員を祝うはずだったパーティーは開かれたが、出席者はまばらで寂しく閉会となった。女子の日本代表チームは現在、米国遠征中。ソチ五輪メダルを目指して奮闘するアイホ娘のためにも、早急な事態収拾が待たれる。