フィギュアスケート男子でソチ五輪金メダルの羽生結弦(19=ANA)が、新シーズンのフリープログラム「オペラ座の怪人」で、自身初となる3つの4回転ジャンプを跳ぶ高難度の構成に挑むことを明らかにした。7日にカナダのトロントで初めて披露。「大変なことだが、昨季と同じ自分ではいたくない」と進化は止まらない。

 昨季同様に演技前半にサルコーとトーループの4回転を入れ、得点が1・1倍になる後半には2度の3回転半ジャンプや4回転トーループのコンビネーションを組み込む。限界に近いスタミナが要求される構成は自らの決断で「トーループの手応えがあったから」と理由を説明した。コーチのブライアン・オーサー氏も「五輪王者になっても前を見続けるユヅルらしい大きな挑戦だ」と背中を押す。

 国際大会で成功すれば史上初めての4回転ループは、今季は封印する方針だ。この日は3週間ぶりに挑んで感覚を試したが「ループはご褒美みたいなもの。こだわりはない」と言う。

 ボーカル入りの曲が可能になった今季は「オペラ座の怪人」を選んだ。中学生の時から「1度は滑ってみたかった」という定番。数々のスケーターが演じてきた怪人ファントムをどう演じるか。羽生は「これまでと違ったファントムを見せたい」と意欲をのぞかせた。