<卓球:全日本選手権>◇最終日◇18日◇東京体育館◇女子シングルス決勝

 21歳の石川佳純(全農)が史上最年少で全日本3冠を達成した。

 石川の強さは、男子との強化が根幹となっている。すべては世界最強の中国人に勝つため。一昨年から女子日本代表の村上監督にみずから懇願した強化策。世界トップ級との差は、パワー不足。後手に回った時のレシーブ力が最大の弱点だった。

 開始当初は結果が出なかったが、専属トレーナーとの筋力強化も含めた総合強化で対応力が身についてきた。村上監督は「野球で言えば160キロの(プロ野球日本ハム)大谷のボールを打ち続けているようなもの。女子の遅いボールとは次元が違う。今の日本の女子に男子と練習したいなんて言ってくる選手は石川以外にいません」と説明。放たれるボールの回転数も自然に増し、相手には重い球を繰り出すことができてきた。

 守備面でも動体視力や瞬発力の向上により、女子の世界上位にも太刀打ちできるようになりつつある。今大会でも崖っぷちに追い込まれても巻き返せたのは心の余裕があるからこそ。石川も「男子との練習の利点は1番は気持ちの面。苦しい場面で強くいられたことが成長できたところだと思う」と手応えを得ている。