大相撲の日馬富士(28=伊勢ケ浜)が26日、日本相撲協会の理事会で正式に第70代横綱となった。日馬富士は東京都江東区の伊勢ケ浜部屋で行われた昇進伝達式で「横綱を自覚して、全身全霊で相撲道に精進します」と口上を述べた。

 口上に入れる言葉の候補に、古事記から引用した「修理固成(しゅりこせい)」という4文字熟語が挙がっていた。日馬富士のしこ名を考案した出雲大社相模分祠の草山清和分祠長が提案したという。

 「国のつくりを固めるように、横綱としての自分をつくり固めていく」という思いが込められていたそうだが、最終的には伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)夫人の淳子さん考案の「横綱を自覚して」というシンプルなものでまとまった。

 口上決定の際、同親方は「これからは公の人間になる。私(わたくし)の時間はない。世の中のためになる人間になれ」と訓示を述べ、日馬富士も神妙に聞いていたという。

 伝達式後の会見では「もっと努力して、相撲道に精進していかなくてはならない気持ちが、もっと強くなりました」と感想を述べた。27日に綱打ちが行われ、28日に明治神宮で横綱奉納土俵入りに臨む。