期待のホープ豪栄道(23=境川)が、初土俵から所要26場所で関脇の座をつかんだ。日本相撲協会は27日、大相撲夏場所(5月10日初日、両国国技館)の新番付を発表。豪栄道は年6場所制となった1958年(昭和33)以降の初土俵では9位のスピード昇進(幕下付け出しを除く)で、今場所の目標を「10勝」に設定した。新小結の栃煌山(22=春日野)は、同期生の豪栄道へのライバル意識から「目標は11勝」と宣言。鶴竜(23=井筒)はモンゴル出身8人目の小結となった。

 豪栄道がついに関脇になった。「高校横綱」として角界入りして4年半足らず、所要26場所で史上9位のスピード昇進だ。新番付を手に「高校で戦った相手が大学を出るまでに関取にはなっていたかったので、順調と言えば順調ですね」と実感を込めた。

 春場所では得意の右四つからの速攻がさえた。師匠の境川親方(元小結両国)は「ドシッとした力強さも出てきた」という。98年5月の部屋創設から初の関脇で、現役時代の最高位は超えられたが「持っているものからすれば当然。行けるところまで行ってほしい」とさらなる出世を期待する。

 同学年で中卒で入門した稀勢の里を抜き、実力者の琴奨菊、豊ノ島らも抑えて日本人の20代力士では番付が一番上になった。大きくなる期待と責任を自覚する豪栄道は「先場所9勝したので、今場所の目標は10勝。同級生の稀勢の里関、栃煌山関にも負けたくないです」と表情を引き締めた。

 部屋には埼玉栄高で同級生だった国体王者の宮本泰成(日体大出身)が近く入門し、夏場所で幕下15枚目格で初土俵を踏む。「まだ自分は大関とか横綱とか言えないですけど、抜かれないようにしたいです」。夏場所で10勝なら、大関とりへの足掛かりにもなる。「高卒の星」に立ち止まっている暇はない。【柳田通斉】