横綱朝青龍(28=高砂)が8日、福島県相馬市で行われた大相撲夏巡業の朝げいこを「無断欠勤」した。けいこ終了目前の午前10時半になっても土俵に姿を見せず、詰めかけた観客はため息。「けがをしていてもまわしを締めて土俵に下りること」が原則の巡業でまたしても規則を破った。

 けいこ終了後、土俵入りを行った朝青龍は「体調が悪い。エアコン、つけたまま寝ちゃって。もともと、へんとうが弱いからさ。熱がちょっとある。38度ぐらい」と、手を額にあてがいながら弁明を並べ立てた。9日の札幌での興行に参加するが「医者の知り合いがいるから」と話した。さらに付け人を呼び「3月に北海道に行った時の医者に『ホテルに来て、頭痛いから点滴打って』って」と伝言。とても体調不良とは思えないほど口数は多かった。

 朝青龍の不在について大島巡業部長(元大関旭国)は「何も聞いていない」と無断であることを認めた。この日の相馬市は朝から大雨。にもかかわらず、屋外の大型テントに約2600人の観客が詰めかけたことに、同巡業部長は「(横綱は)土俵に上がってくれるだけでもだいぶ違うのに…。明日(9日)来なかったら、話す」と、今後は厳しい態度で臨むことを強調した。

 横綱白鵬(24)は申し合いで12戦全勝するなど早くも秋場所(9月13日初日、両国国技館)に向けて全開モード。「反省して体治して、けいこしますよ」という朝青龍の言葉がむなしく響いた。