<大相撲九州場所>◇14日目◇28日◇福岡国際センター

 西十両4枚目磋牙司(27=入間川)が勝ち越し、新入幕に近づいた。霧の若を押し出して8勝目。自己最高位で給金を直し、笑みが止まらなかった。幕内への可能性を「わかんないですね、これは」とかわしながら、「明日勝てば…」の問いかけに「優勝でしたっけ?」ととぼけた。「上に行けば行くほど、それだけのレベルの相撲をしなければ」と話した。

 右へ変化した霧の若に体を寄せ、そのまま前に出た。仕切り線から下がっていた相手に「いつもと顔つきが違った。何かしてきそうだな、と見えていました」。場所前から豊富なけいこ量をこなし、心身ともに充実。宿舎では名力士のDVDを眺めている。身長166センチで奮闘するだけに「最近は大型化して相撲が雑になっているというか。昔の人は攻めの技術がうまいですね」と参考にする。

 来年初場所(1月10日初日、両国国技館)で、幕内からは4~5人の陥落が予想される。十両上位のライバルも同人数で、千秋楽の一番は大きな意味を持つ。初場所番付発表の12月21日は、29歳の誕生日になる。ちょっぴり薄めの頭をいじりながら「頭皮は63歳くらいですが」。自虐ネタが飛び出すほど、元気いっぱいだ。