暴力団排除対策案から、八百長罰則規定が削除された。角界の改革を担う「ガバナンス(組織統治)の整備に関する独立委員会」の奥島孝康座長(71=日本高野連会長)は7月31日、「寄付行為の細則にも明記されているから」と説明したが、前回会合後に協会執行部から抗議を受けたためだった。木暮委員は「相撲に八百長はなく、裁判で証明されているということだった」と話した。

 前回会合で深沢委員による原案が提示された。その冒頭で八百長が認められた力士のほか親方なども処分対象とし、情報を得た場合に理事長へ報告を怠っても処分としていた。実際に寄付行為には故意による無気力相撲懲罰規定があり、けん責から除名までの5段階の懲罰に、師匠も連帯責任と明示されている。

 この日まとめた原案は協会へ骨子が報告され、次回までの理事会で検討するように求めた。内容は暴力団との交際や違法賭博禁止、そうした事例に触れた際の理事長への報告義務、警察庁などと連携した協議会の設置など。12日の次回会合で、最終案をまとめる。